床ずれとは
このページでは寝たきりの高齢者などに起こりやすい「床ずれ」というものについて、図などを交えて簡単に説明します。ちなみに「床ずれ」とは医学用語では「褥創」といいますが、ここでは皆さんに分かりやすい表現の「床ずれ」という言葉を使います。さて、「床ずれ」とは一体どんなもので、何故おこるのでしょうか?
床ずれ発生のメカニズム
床ずれの原因は、寝たきりなどによる持続的な圧迫です。
圧迫によって血が通わなくなり、組織が死んでキズになったものを床ずれと呼びます。
床ずれ発生の順序
- 体重
- 【1】持続する圧迫によって
- 長時間の圧迫
- 【2】皮膚及び皮下の組織に血流障害がおき
- 血流障害
- 【3】虚血状態となり
- 虚血(きょけつ)
- 【4】そのために壊死をおこし
- 壊死(えし)
- 【5】床ずれとなる
出来やすい場所

深さによる床ずれの分類
床ずれの深さによって、1〜4度の4段階に分けられます。

第1度
皮膚の限局的な発赤。皮下の組織は障害が起きている。

第2度
表皮と真皮の部分欠損。皮下組織は障害が起きている。

第3度
皮膚全層欠損で筋膜を越えない。

第4度
筋肉、骨まで及ぶ深い欠損。
床ずれ創傷治癒のメカニズム
床ずれ治癒には3つの段階があります。

1.炎症期
創傷部に白血球やマクロファージなどが集まり、細菌を食べたり、異物を溶かしたりして創面(傷の部分)をきれいにします。

2.増殖期
肉芽組織が作られ、創面(傷の部分)が満たされていきます。

3.成熟期
肉芽組織は丈夫な組織(瘢痕(はんこん)組織)に少しずつ置き換わっていきます。